相対性理論 - TOWN AGE

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日本の新世代ポップロックバンド相対性理論によるニューアルバム。
僕はこのバンドが個人的に大好きで特に前作シンクロニシティーンが傑作だったので来たいと不安混じりに聴いてみたのですが、結論から言うと前作の方が好みでした。うーん残念。
僕は知らなかったのですが、前作から今作の間にメンバー交代があり、核となっていたベースの真部脩一が抜けてしまい、サウンドメイクの部分でバランスが悪くなってしまったと感じました。どうもガチャガチャしているというか色んな音を鳴らし過ぎているような気がします。 曲調も最近のつまらない邦ロックバンドのそれに近づいてしまったのではないかと思うフレーズが散見されると感じました。
製作の方針として今まで真部脩一にイニシアチブを取らせていたのをやくしまるえつこに一任するのではなく、バンド全体で進めるようにしたのではないかと思います。 真部脩一のハナエの曲も聴いてみればわかりますが、この人がいると「シンクロニシティーン2」が出来上がってしまうとわかったのでしょうね。全部僕の想像ですからそこら辺の事情はわかりませんが。

全体的にエセオリエンタルなメロディと哀愁が漂うアルバムで、クオリティは傑作ではないにしろ良作ではあると思います。
1.「上海an」のスピード感と途中のせーのでしゃんはいって声はどうしても可愛いと思ってしまうし、4.「キッズ・ノーリターン」はライブで化けそうな切迫感がロックな雰囲気を出しています。
他にも8.「ほうき星」は今までになかったアコースティックで純朴な曲になっており、少し狙い過ぎてる感もありつつ嫌いではないかな。
個人的には3.「YOU & IDLE」が「テレ東」とやくしまるソロの「ウールはゆっくり夢を見るか?」の系譜に連なる静かでメロウな曲でかなり好みであり、10.「たまたまニュータウン」もメロウでインチキノスタルジアなメロディに酔えましたね。
歌詞は今までとあまり変わらず特にこれといった新しい試みがあったようには感じませんでした。「バーモント・キッス」や「ペペロンチーノ・キャンディ」、「スマトラ警備隊」のようなおっと思わせる独特のシニカルな毒気を持った歌詞がないのがまた残念な点。