OGRE YOU ASSHOLE - confidential

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日本のロックバンドOGRE YOU ASSHOLEによる初のリミックスアルバム。 2013年発表。
2013年発表ですが、個人的にはもう随分前に発売されたような印象を持ってしまいます。それだけ次のアルバムが待ち遠しいんだろうなと思ってます。
内容としてはこれまでアナログ盤限定で収録されていたリミックス4曲と新録リミックス4曲の8曲からなる完全リミックスアルバム。
リミックスアルバムというと大概がそのアーティストの特にファンの人だけがついでに聴くようなオマケ程度のものですが、これはオリジナルアルバムと呼んでも差し支えないぐらいのクオリティです。
原曲に漂う靄を更に濃くした1.「真ん中で」や人間が誰もいない桃源郷に誘われるような5.「バックシート」の幽玄性はオウガにしか出せない高みに達しています。他にも2.「また明日」は原曲が大好きなのでどんなリミックスになるかととても期待していたのですが、これも素晴らしい。元のほんのり夕焼け色の和風感からモダンで都会ポップスな雰囲気になっています。というかコレCANのアルバムFlow MotionのI Want Moreにとっても似ています、特にベースラインはほぼ同じ。でもパクってるぜーとか感じないんですよね。こちらはこちらでしっかりと世界観が完成されているから借り物感がないのです。
そして6.「フラッグ」は原曲が今ひとつ良質なJ-ROCKの域を出ていないところからしっかりクオリティを上げて作り直してくれました。淡々と同じフレーズを繰り返すベースと機械制御されているような最小限のドラム、そこに物陰からこちらを窺うようなヴォーカルと気色悪い声が重なり何ともキモカッコいい一曲になってます。しかし原曲のメロディラインはちゃんと残してあるため丁度いい塩梅にポップです。アルバム中一番聴きやすいのはこれかな。ヴォーカル出戸っくす監督のPVも正にこんな感じ!と言いたくなるような世界観を表現できてます。曲が気に入ったら是非どうぞ。
最後に7.「素敵な予感」、色々言いましたが白眉はコレですね。むしろ原曲がこっちの方が良いんじゃないの?と言いたくなるような(まぁそれだとアルバムの統一された世界観を損ないますが)凄い完成度。この曲を聴いてると巨大なUFOを下から見上げている内にいつの間にか中に連れて行かれてしまったような、凄まじい圧迫感と相反する浮遊感を同時に感じます。つまり異様に気持ち良い。
特にクライマックスの強烈なノイズに包まれドラムがズダダダダダダダと入ってきてからの展開はある種ありきたりながらもどうしようもなく興奮しロックを聴いているということの満足感を感じさせてくれます。

ちょっと褒め過ぎてるのはライヴを実際に観た事と今後の期待も込めて。