THE NOVEMBERS - Zeitgeist

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僕が思う日本で指折りの「真摯な」ロックバンド、THE NOVEMBERSの4thアルバム。
今回は自主レーベル「MERZ」の設立(やっぱりMerzbowから取ったのかな?)、独自の販売方法など単なるニューアルバムの発売ではありませんでした。

僕はTwitterでオフィシャルアカウントをフォローしてるので発売までにこういった大騒ぎを知っていて、聴くまでにえらいヘヴィな内容になってるんじゃないかな…と思い、なかなか聴き始めるまでに時間かかりました。
THE NOVEMBERSの音楽はフロントマン小林祐介という人の持っている思想がかなり前に出ているところがあり、歌詞とサウンドは切って放せません。
そのため、僕は片手間に聴くというのが彼らにとって失礼だと考えてしまい、しっかり対峙できるコンディションの時に聴こう…とか思っちゃうんですね。

そうしてようやく一通り聴いた感想ですが、これは現時点での最高傑作じゃないかと感じました。
自主レーベルの設立と関係あるかはわかりませんが、これまでの作品に漂っていた息苦しさがかなり軽減されヘヴィなサウンドの曲はありながらも水を得た魚のように解放的な雰囲気になっています。(もちろん明るい 軽やか ということではありませんし、ズルズルと重い曲もありますが頭からすり潰されるような感じではなくなっています。)
そして全体の流れ、一つ一つの曲の練り込み具合も完璧と言ってよく、かつ音楽とヴォーカルのテンションが片手間に聴くことを許しません。どうしても音楽に意識が引き戻される、そんなオーラも感じます。
そして歌詞。小林祐介さんが書く歌詞は前々から変わっていないのだなと思いました。 人の真似なんかしないで自分は自分らしく-後悔しないために毎日を全力で生きたい とでも言うような。
これらのメッセージが押し付けがましくなく、また偉そうなポーズにも聞こえないのが何よりの彼らの魅力だなと思います。
バンド名は11月、つまり秋ですが聴いていて思い浮かぶのは冬の朝のピンと張りつめた空気。大きく息を吸い込むと綺麗な空気が体をめぐり目が覚めるような、そんな気持ちになります。