Psapp - The Only Thing I Ever Wanted

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Psappはイギリスはロンドン出身の女の子2人組(Carim ClasmannGalia Durant)によるエレクトロニカデュオ。
このアルバムは2006年にリリースされた2ndです。
エレクトロニカといってもありがちな電子音は控えめで、鳴っているのはトイピアノアコースティックギター、フレンチホルン、様々なパーカッションの音。
特にこのパーカッションの種類の多彩さは耳を惹きます。空き缶を叩いたような音やカリンバ、ドラムスティックでカウチを叩いた音なども入っているそうです。
これらの音から立ち上る情景は何ともメルヘンチックで、ジャケットが表すように妖精や木の家などが思い浮かびます。
しかし流石はイギリスのアーティストと言いましょうか、仄かに薄暗く不気味な雰囲気が全体に漂います。
ヴォーカルも呟きに近くかなりダルな感じで、それが曲の雰囲気によく合っています。
あと通して聴いて感じたのが、この2人は歌メロを作るセンスが抜群に良いのではないか、ということ。
1.「Hi」4.「Needle & Thread」8.「The Words」などのダンサブルなリズムに漂う気だるいヴォーカルのメロディは個人的にかなりハマりました。 特に8.「The Words」はメルヘンでありつつもエロティックな芝居小屋に迷いこんだようなアブナイ感じが素晴らしい。

Radioheadの一部の曲なんかにも言えると思うのですが、イギリスのアーティストの曲に漂う仄暗い陰湿な雰囲気が僕は個人的に好きなようです。
「本当は怖いグリム童話」なんて本が昔流行りましたが、ちょうどあんな感じでしょうか。ハリーポッターも原作はかなり陰惨ですからね。
徹底的に暗くてジメジメしてるとさすがにキツいですが、この作品ぐらい肩の力が抜けてて仄かに霧が漂うような暗さのある作品は本当に好きですね。