Sunn O))) - Monoliths & Dimensions

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アメリカの超ヘヴィ・ドゥーム/ドローンユニットの2009年発表作品。
このテの音楽は超音量のデカいギターとベースの「どぅぅ〜ん、ぐぅぅお〜ん」って音が曲の大半なのですが、このアルバムはそう一筋縄ではいかず、むしろ音楽に豊穣さを感じさせます。
1曲目「Aghartha」では絶妙に音色を計算されたギター・ベースの重殺音にゲストヴォーカルのアッティラ・シハーさんの死神ボイス(語り)と弦を打楽器的に擦り叩く音や水の流れるような音が重なり、何ともデスな世界観。
2曲目「Big Church」では冒頭から女性の聖歌的な多重コーラスが流れ少しビックリ。しかしSunn O)))の音楽にはピッタリはまります。何とも音楽的。
3曲目「Hunting & Gathering (Cydonia)」でも途中まではいつものギター・ベースがどぅぅ〜んなんですが、間に金管楽器の音が入ってきます。 これが使い方が自然で全く違和感がありません。むしろ真っ黒の絵に色合いが足されたようで、より陰影が濃く深みが増しています。
そして4曲目「Alice」。この曲を聴くまで自分がまさかドゥーム/ドローンを聴いて感動して癒されるだなんて思いもしませんでした。ディストーションギターとベースにハープとホルンが織り成す幻想世界。闇から光/汚濁からの浄化のようなイメージ。ドゥーム/ドローンが嫌いではないのならこの曲は絶対聴いてほしいです。最後の一音まで聴いた後に感じられる感動は、良質な交響楽を聴いた時のそれと同じです。