ROVO - Pyramid

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個人的に日本最高のライヴバンドの一つと思っているROVOのスタジオアルバム。1曲40分。
ROVOは1995年に勝井裕二と山本精一が中心となって結成されました。
岡部洋一芳垣安洋のダブルドラムがインパクト強いのでそれにまず耳がいきがちですが、最も輝いているのは勝井さんのエレキヴァイオリンだと思います。
高い空の遥か遠く、宇宙の果てを目指して飛ぶ鳥のような音はいつ聴いても鳥肌が立ちます。
このPyramidは大きく2部構成になっていて、前半はコーラスのリフレインとフリーキーなハーモニカに二台のドラムが絡む、どこか中近東風な、はたまたジャングルに迷い込んだような雰囲気。それが徐々にキーボードの重音とコーラスによって幻惑的になり(ここ、まさにピラミッドの奥に誘い込まれるような感じがします)シンバルが鳴り始めると二部に移ります。ここから徐々に徐々に高まっていき終盤で大爆発する高揚感は他では味わえないものがあります。
40分ぶっ続けで音楽聴く余裕のある人は大人ではなかなかいないかもしれませんが、この曲は夏っぽい雰囲気や爽やかさもあるので時間のある時是非とも聴いてみてほしいと思います。
ここからは個人的な感想になるのですが、ROVOの音楽はこのPyramidに限らずどこかセックスのエクスタシーに似ているところがあると思います。
最初は少しぼんやり目に始まり、それから丁寧に丁寧に情感を高めていき、後半の数分で最高潮に達して最後にパーンと爆発する。
もちろんセックスという言葉から想像されるであろうエロティックでアダルトな雰囲気はこの人たちの音楽には微塵もないわけですが。それは客観的に見た場合であって主観で見ればちょうどこんな感じなんじゃないかなとふと思いました。