Arca - Xen

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いいですよねこのジャケット レコ屋で見かけたらとりあえずジャケ買いしちゃいそうな感じ。

ベネズエラ出身のプロデューサーAlejandro Ghersiによるプロジェクトです。 これは名門MUTEからリリースされた1stアルバム。
自主リリースされた「&&&&&」から聴いてるんですが、この人の音楽において最も特徴的な予測不可能な展開はそのままに、前作にあった攻撃性とキモさはかなり少なくなってます。そのかわりキラキラ成分やカワイイ成分を増して、美しく静謐とさえ言えるようなアンビエント曲が多くなりました。(2.Held Apart、7.Failedなど)
Burial聴いた時も思ったんですが、エレクトリックミュージックって意外にまだまだ聴いた事のないような音楽を作れる裾野があるんですね。そしてArcaのすごいところは新しい音楽のはずなのに耳触りが優しいところ。聴いている間は夢見心地になれてノスタルジックな気持ちにもなる。それに、口ずさめるメロディは皆無なのにポップだと言いたくもなります。うーん、僕はこれは大変な傑作アルバムだと感じました。


ちなみに前作「&&&&&」はSoundcloudで無料でダウンロード可能です。

54-71 - All Songs Composed & Performed by 54-71 Recorded in February 2004

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日本のスカスカヒップホップバンドのベストアルバムと見せかけてセルフリミックスアルバム。

17曲と大ヴォリュームにして全曲様相が変わってます。 これ一発録りなんですかね?なんかラフな感じがします。
全体にただでさえスカスカな音が更に軽くなってます スカスカというかペラペラっていうのかな? 特にドラムがトントンポコポコいってて可愛いです。
idiotのヴォーカルがピッチ思いっきり上げててギャグになってるのは何を狙ったのでしょう。
あと細かいとこではBeyo〜ndや69などの曲では歌詞もところどころ変わってます。 聴いててアドリブなんかな?って思わせるようなフットワークの軽さを感じます。
最後what colorで〆られると妙にしんみりしますね。 54-71なのに青春。54-71にして青春。

個人的にはLonesome mold boyはやっぱりいいなあと思いましたね。 原曲の方が好きだけど。

No Joy - Ghost Blonde

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かつてあなたが愛した甘くてキュート、夢見るようなシューゲイジングミュージックをやってる人たちを見つけました。
もうガッツリBack to 90'sなシューゲイザーです ヴォーカルはもちろんマイブラーんな女の子ボイスです しかも爽やかです 最後までおっきい音で通して聴いても胃もたれ起こす心配はありません
うーん、この爽やかさは…春ですね

さぁこのアルバムを車にセットしたら君が行きたいところに行こう もちろん窓は全部開けて風を感じながら 海が見えるところがいいね

Sleep - Dopesmoker

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伝説のストーナーロックバンド、Sleepの究極のアルバム。なんと一曲63分34秒!
ほぼワンリフでゴリッゴリ進みます。
流石に60分以上もの大曲をずっと集中して聴くのは無理がありますが、何気に最後まで聴けてしまうのがスゴいところ。
63分の時間を目一杯使いストーナー巡礼とかいう馬鹿馬鹿しい旅をガッツリドッシリ説得力を持って聴かせてくれます。
「ブラックサバスを引き延ばしただけでしょどーせ」って人にこそ聴いてほしいです、まぁ収録時間が長すぎるんでまとまって時間あるときでないと聴けないってゆう面倒くささはありますが…
ギターソロなんて本当に男気を感じさせる真っ向勝負な感じで、マジでかっこいいですよ。
そうそう、演奏全体がスカさず奇を衒わず真っ向勝負って感じで、そここそがこのアルバムの一番の魅力なんですね。スリーピースならではの楽器同士のスリリングなぶつかり合いも聴きどころ。
僕がこれ聴いててどうしても頭に浮かぶフレーズが「古き良きアメリカンロック」なんですが、その理由はこの演奏に漲る「男気」なのかと改めて聴いて気づきました。

あと個人的にはイライラした時にこれ聴くと落ち着ける効能があります。
多分この、歩いてるのと同じぐらいのテンポと絶妙な音圧だと思いますが。

Warpaint - Warpaint

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LA出身、今ノリにノっている女性4人組バンドの2ndです。

前作の「The Fool」聴いてあまりに素晴らしかったので、今作は僕にとってはまさに待望の新作でした。
前情報としてプロデューサーにFlood、ミキシングエンジニアにナイジェル・ゴドリッチ、ついでに作品そのものとは関係ないですがミュージックビデオとジャケにクリス・カニンガム起用とくればもう間違いがないな!と思っていましたが、期待通りの快作を届けてくれました。早くも今年のベスト3には入りそうな感触。
基本的には前作の延長ですが、けっこう新しい試みもしてます ちょっとインダストリアルライクなヘヴィな曲「CC」や「Disco//Very」って名前そのままのダンサブルな曲など。後者なんかはあからさまに新しいことやってます、って感じ。
でも奇を衒ってる感じはないですね。ちゃんと全てWarpaintの曲としてスジが通ってる。

そして相変わらずリズム感、メロディ共に素晴らしい。持ち味であるダークでメランコリックなサウンドはそのままに、前作にあった重苦しさがなくなり軽やかになっています。Floodやナイジェルゴドリッチの起用が影響しているのかグッと洗練され整理された印象。

少しやらしい言い方すれば化粧が上手くなってセクシーさが増したとも言えます。もともと曲に艶美な雰囲気はありましたが、よりスマートにそのテイストが出ていますね。やっぱりROCKはセクシーでなくちゃ!

無い物ねだりは承知で言えば、前作ですごく好きだった「Baby」のようなアコースティックでフォークロアな曲が一つ欲しかったなぁ。まぁこのアルバムに入ると違和感出るかもしれないので、それは言っちゃいけませんがね。


あとこれはアルバムの内容とは関係ないですが、彼女らを紹介する時に「ガールズバンド」って言い方は不適当だと思いますね。そういうなまっちょろいバンドじゃないんで。彼女らは正真正銘、骨太のROCKバンドです。


全ROCKファンは必聴の傑作。

Warpaint - Love Is To Die (Official Audio) - YouTube

Burial - Rival Dealer

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イギリスはロンドン出身のダブステップ(一応便宜的にこう書いときます)ミュージシャンによる新作EP。
「Street Halo」から続くEPフォーマットでのリリースの目下最新作となります。
イギリスミュージシャンだけに薄靄がかったような陰鬱な暗さはありつつも都会の夜って感じで夜に街に出かける時は最近必ず聴いてます。どうしても僕にはスタイリッシュでハードボイルドなカッコいい音楽に聴こえるんですよね。
そんなBurialの今回のタイトル曲「Rival Dealer」は異様にBPMが高く硬質なハードビートが印象に残ります。しかしビートは後半分断され終盤になるにつれ夢見るような美しい展開になり「Come down to us...」というボイスが聞こえ次曲の「Hiders」へ。この曲と終曲「Come Down To Us」は明らかに今までのBurialとは違いますね。
なんせ雰囲気がキラキラと輝き多幸的でクリスマスソングに聴こえるので。 リリースも12月のクリスマス前だったので流石に「マジかよ⁈」ってなりました。
特に「Hiders」中盤のダンサブルなビートはディズニーランドやUSJあたりのテーマパークを走り回る子供達の姿が浮かんでしまいそうです。少し言い過ぎ?
でも奇を衒ってるわけでもなくましてやクリスマスアンチって曲でもないようです。素直にどっちとも素晴らしい曲です。相変わらず知的でクールかつスタイリッシュなBurialは健在。
本人としてもずいぶん前からそうなのでしょうけど、ダブステップなんてゆうカテゴリで括れない先鋭的なサウンドを届けてくれるミュージシャンと言えますね。
最近知ったのですが、彼はインタビューをほぼ全く受けず、作品にコメントもほとんど出さない(今回は珍しく出してますが)、そしてライヴは全く行わない、という姿勢を貫いているそうで、僕としてはそのスタイルがカッコよくて尊敬してしまいます。
これだけ情報過多な時代にあってスターになることを嫌い純粋に自分の音楽だけを聴かせたい、という姿勢を持っている事を知るだけでその人の音楽が少し良く聞こえてしまうのはある意味皮肉なことかもしれませんが…
でもこのRival Dealer、Street Haloから変わらぬクオリティで今回も素晴らしいと感じました。
これからも僕の都会のウォーキングミュージックとして活躍してもらおうと思います。

くるり - ファンデリア

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くるりのインディーズ時代の2ndミニアルバム。1998年発表で8曲入り。
この頃のくるりは青春時代の焦燥感・憂鬱感・切なさをロックサウンドで表現させたら最高でしたねえ。僕は大学時代よく聴いてたので思い入れがあります。
イントロの優しげで田舎風味のアコギを経てかまされる「モノノケ姫」がえらいインパクトありますが、どちらかというとそれ以降はゆったりした曲が続きます。でも「Old-fashioned」「続きのない夢の中」「雨」とゆったりとしていながらも感情表現たっぷりのヴォーカルもあいまって何ともヒリヒリとした感触が残ります。このあたり今のくるりとは随分違いますね、若さゆえのものでしょうか。
そして打ち込みのインタールード「Supper」に続く「坂道」は大名曲。
一曲目の「Interlude」の優しいアコギはこの曲に繋がってきます。今のくるりにもある大らかでまったりとした、そして何処か和風な曲はこの頃からしっかりと出来上がっていました。僕はくるりのこういった曲が何とも好きです。日本人ならではの感性でしか作れないものですよね。
そして最後の「Yes mom I'm so lonely」は一転してダークで密室的なえせヒップホップ。 歌詞も何ともヤバいというかキモいというか…でもこれもこれで若者感が染み出てて小っ恥ずかしさもあります。ぜひ一度ご覧あれ。
ずっとヒップホップ調で続くのかと思いきや後半はシュールなアンビエントになり終わります。なんともヒネくれてていですね。

若々しいくるりを聴きたければぜひどうぞ!